モーツァルトやシューベルトなどドイツもの、トスティやレスピーギのイタリア歌曲、そして日本の歌曲と世界各国バラエティーに富んだ作品が並んだ。
「花といってもいろいろな曲があります。組み合わせの可能性はたくさんありましたが、ウィーンにいるので日本とドイツものを軸に考えました。コンサートで何度も歌っているモーツァルトやシューベルトのほかに、シュトラウスやシューマンはどうしても入れたかったのです」
デビューがモーツァルトのオペラ「バスティアンとバスティエンヌ」。モーツァルトを歌うと体のバロメーターになるという。
「『すみれ』はモーツァルトらしい軽やかで華やかな曲です。歌曲でありながらドラマチック。モーツァルトらしいおちゃめさもある。いろいろなものが凝縮されています。歌う人によって本当に違う作品になります。シンプルでありながら表現が豊かで、他のどの作曲家にもまねはできません。モーツァルトは私に合っていると思います。モーツァルトがよく歌えなかったときは、体に力が入っていたり、体の状態がすぐに分かります」