MSFのチームは、隔離病棟で患者の治療を行い、液体栄養剤の投与などで死亡率を60%程度に押さえ込んでいる。だが、その感染力は強く、医師らも感染の危険にさらされている。
米CNNテレビ(いずれも電子版)などによると、これまでのエボラ出血熱の感染はジャングルの奥地といった場所に限られ、大流行に至らなかった。しかし、今回は最初にウイルスが確認された場所が、人口2万人のギニアの首都コナクリに近いジャングルだったことが、事態を深刻化させた。
コナクリには国際空港もあり、発病するまでに2~21日の潜伏期間があるエボラ出血熱の感染者が気づかないまま、航空機で移動し、他国に感染が広がった可能性が指摘されている。
葬儀出席でも
さらに対応の遅れや啓発活動の不足も拡大に拍車をかけた。WHOの専門家、ピエール・フォルメンティ医師は、英紙ガーディアンに「感染が始まったとき、これまで通りと事態を軽く考えていたため、準備が遅れた」と指摘。さらに「4月下旬に、感染が確認された3カ国では患者数が減ったため、チームの気が緩み、(感染の急拡大という)新たな展開を察知できなかった」と悔やんだ。