天然芝の心地よさ
緑に囲まれた大地の自然の中に「フィールド・オブ・ドリームス」はあった。7月12日、北海道中央部に位置する栗山町に足を運んだ。人口わずか1万3000人ほどの小さな街。そこには、名字が同じという縁で結ばれた日本ハムの栗山英樹監督が現役引退後に作った少年野球用の「栗の樹ファーム球場」がある。栗山さんがスポーツキャスターだったころ、米映画「フィールド・オブ・ドリームス」の撮影が行われた球場を訪れ、そのときの感動に駆られて作ったまさに夢の球場だ。
ここを訪れたのには理由がある。いつの日か、私もニュージーランドに野球専用のスタジアムを造りたいと思っている。私の現役時代にキャスターとして何度も取材をしてもらったことで親交がある栗山さんが、一から作ったという球場をこの目で見てみたいと思ったのだ。栗山さんに関係者を通じてお願いをすると、「ぜひ、見てみればいい」と快諾してくれた。
少年野球向けということもあって、それほど大きくはないが、内外野には美しい緑の天然芝が敷き詰められていた。斜面を削って平らにした場所に内野が設けられている。左翼側は坂道のような形状で、フェンスを設けなくても打球が自然と止まるようになっていた。一方で、右翼側は崖のようになっていてボールが飛びすぎれば、あきらめるしかなさそうだ。ゆっくりとフィールドを歩くと、天然芝のいい臭いが漂ってきて、心地よかった。