ニューヨーク市で今月20日、黒人の男に射殺された警官、ラファエル・ラモス氏(40)の葬儀が27日、市内の教会で行われた。事件は、黒人住民の間でくすぶる“人種差別”への不満が凶行へと走らせた象徴的な事例といえ、参列したジョー・バイデン副大統領(72)は米国民に“人種の垣根”を乗り越えて団結するよう訴えた。
葬儀は数百台の白バイがひつぎを先導し、ヘリコプター約10機が上空で旋回するなど、物々しい雰囲気のなか行われた。バイデン副大統領は全米各地から集結した警官約2万5000人を前に「この街は善人を失って深い悲しみに包まれている」と述べるとともに、「この信じ難いほど多様な街はどんな溝にも橋をかけると信じている」と述べ、市民と警察との和解を促した。
だが、警察に対する市民の抗議活動を支持したニューヨーク市のビル・デブラシオ市長(53)が弔意を表明すると、多くの警官が背を向けて無言の抗議を表明。問題の複雑さをみせつけることにもなった。