ユネスコの世界遺産で知られるイタリア・ナポリ近郊の古代都市ポンペイを一瞬で廃虚に変えた紀元前79年のベスビオ火山の大噴火。この噴火によって真っ黒に炭化したパピルス紙の巻物文書の解読にイタリアの科学チームがめどをつけたことが21日、分かった。乳がんの早期発見に用いられる「マンモグラフィー」の技術とよく似た3D(3次元)のX線撮影技術を駆使し、10年以内に内容を解読するという。欧米では昨年、栄華を極めたポンペイの街が一夜にして滅びるさまを描いた映画が大ヒットするなど、当時の生活様式は今も多くの人々の歴史ロマンをかき立てる存在であり続けている。炭化した巻物文書は全部で約300本あり、この都市にまつわるさまざまな謎が約2000年ぶりに初めて解明される可能性が出てきた。
シーザー義父の邸宅
英BBC放送やフランス通信(AFP)、米紙ニューヨーク・タイムズ(いずれも電子版)などによると、解読にめどをつけたのは、イタリア研究評議会(CNR)に所属するマイクロエレクトロニクス・マイクロシステム研究所(IMM、所在地ナポリ)などの研究チームで、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに成果を論文として発表した。