「新国立競技場の問題にも通じるが、責任の所在が極めて曖昧だ。誰も責任を取らないまま進むと、無責任体質の組織委がずっと続いてしまう」。2日の衆院文部科学委員会。維新の党の木内孝胤(たかたね)議員はこう批判した。
組織委の武藤敏郎(としろう)事務総長はエンブレムを撤回した1日の記者会見で、デザイナーの佐野研二郎氏と、佐野氏の作品を選んだ審査委員、それを採用した組織委の「三者三様に責任がある」と主張。「どこか1カ所に責任がある問題とは理解していない」とうやむやにした。組織委の森喜朗(よしろう)会長は会見に姿を見せなかった。
大会準備に携わる関係者は「組織委が公募し、審査委を設置して決めた以上、上層部に責任があるのは明白」と指摘。危機管理コンサルタントの田中辰巳さんは「誰にも危機感がない。誰に権限と責任があるのかを、はっきり決めなければ、同じことを繰り返してしまう」と警鐘を鳴らした。