≪個人情報保護 過剰対応に疑問の声≫
茨城県常総市がこれまで15人としてきた行方不明者をめぐっては、不明者リストを公表すれば本人や家族などが名乗り出て早く確認できたとの指摘が出ている。しかし、市は「個人情報保護の観点」(高杉徹市長)から未公表を貫いてきた。防災の専門家からは「明らかに行き過ぎ」と過剰な情報保護に疑問の声も上がっている。
常総市は「連絡不通者」として連絡が取れない市民の数を公表してきたが、12日午前9時に「15人」として以降、3日間は安否確認が全く進まなかった。その後、茨城県が14日午後8時までに15人中13人の無事を確認するとともに、1人は実在しない人物で虚偽通報だったことも確認。15日午前にはこうした内容が常総市に伝えられた。さらに、県は15日午後2時に残る1人の無事も確認した。
14人はどこにいたのか。県によると、最後に確認できた1人は市内の避難所にいたことが判明したというが、残る13人については明らかにしていない。行方不明者のリスト公表を求める声もあったが、高杉市長は15日の会見で、「個人の人格を尊重する」と公表見送りの理由を述べた。