ラグビーのワールドカップ(W杯)イングランド大会で、日本が優勝候補の一角、南アフリカを下す歴史的な勝利を収めるなか、世界のラグビー界に新たな動きが起きている。W杯を主催する国際統括団体の医療責任者がラグビーの醍醐(だいご)味の一つであるタックルに関するルール変更の検討に入ったことが、22日までに明らかになったからだ。英国で今月、有名選手がタックルによる脳へのダメージから引退を余儀なくされるなど、選手生命にかかわる事例が相次いでいるためだ。
脳震盪が起きる最大要因
「脳震盪(しんとう)が起きる最大の要因がタックルにあるのは間違いない。私の仕事は、(選手たちへの)リスクを特定し、その解決策を探し出した後、選手たちを守るための解決策をルール制定者に促すことだ」
ラグビーの国際統括団体、ワールドラグビーで最高医療責任者を務めるマーティン・ラフタリー氏は21日、英BBC放送の取材にこう答え「この発言はタックルに関するルール変更を意味するのか」とBBCに問われ、「その可能性はある」と明言した。
ラフタリー氏は現在、試合中に脳しんとうが起きた場面の動画900本の分析作業中。現行ルールでは肩より上へのタックルを禁じているが、より低い位置へのタックルを推奨するような変更になる可能性が指摘されている。