桜のジャージーが左サイドいっぱいに飛び込み、ロスタイムの勇気ある逆転劇が成ると、スタジアムは「ジャパン」コールの熱狂に包まれた。ラグビーの世界一を決める第8回ワールドカップ(W杯)イングランド大会の日本(世界ランキング13位)は19日、英国南部ブライトンでの1次リーグB組初戦で、過去2度優勝の強豪南アフリカ(3位)に34-32で逆転勝ちし、歴史的勝利を挙げた。日本のW杯での勝利は、1991年大会以来24年ぶり(19試合ぶり)で、通算2勝目。世界を驚嘆させたエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)は「W杯史上最高のゲーム。最後まで相手に向かっていってくれた」と選手をたたえた。
「相手より走り勝った」
日本は前半7分にFB五郎丸(ヤマハ発動機)のPGで先制。フランカーのリーチ主将(東芝)のトライなどで10-12と競り合って折り返した。後半も再三リードを許し、一時は7点差をつけられながらも五郎丸のトライと4PGなどで食らい付き、29-32のロスタイムに途中出場のバックス、ヘスケス(サニックス)が劇的な逆転トライを決めた。