「結」のテーマについて、ミトロファノフ氏は「何かを共に行うということです。動物の謝肉祭は、音楽も歌も日本のものではありません。しかしその背景には日本の(水墨画の)スライドが流されます。これも“結”の表現なのです」と語った。
「難しくても楽しい」
欧州言語と比べ、ロシアで日本語を学ぶ学生は極めて少ない。同じアジアの言語でも、中国語を学ぶ学生の方が多く、2030番学校のような取り組みはまれだ。
しかし出演した多くの子供たちは「日本語は発音が難しいけれど、楽しい」と口々に感想を述べていた。松尾芭蕉の俳句を朗読してくれたサーシャさん(16)は、文化交流のために訪日した思い出を振り返り、「日本の子供たちとの交流に言葉は要りませんでした。子供たちは身ぶりだけで、私が伝えたいことをすべて理解してくれたのです」と語った。
言葉が分からなくても、異なる文化や芸術を理解する方法を、どの国の子供たちも知っているようだ。(黒川信雄、写真も/SANKEI EXPRESS)