年末年始、ロンドンへ行ってきた。2月に上演される近松門左衛門原作『ETERNAL CHIKAMATSU』の演出家であるデヴィッド・ルヴォー氏を訪ね、脚本打ち合わせをしてきたのだ。
イギリスは、青春の思い出の国だ。大聖堂で有名なカンタベリーという街に住み、1年間、大学で演劇を学んだ。12年ぶりに訪れたかの国は、やっぱり街並みが美しくて、やっぱりビールがうまくって、やっぱり食事はまずかった。おせち、お雑煮、年越しそばと、失ったものは多い。
おまけにスリにも遭った。いわゆる「警官サギ」「ニセ警官」とか呼ばれる奴で、警官を装った2人組がIDカード(警察手帳のようなもの)を見せて、「この辺は麻薬取引が多いから」とボディーチェックをしてくる。「何か怪しいぞ」と十分警戒していたのだが、いつの間にか俺の財布から300ポンド(約5万5000円)が抜き取られていた。
いくら思い返してもどのタイミングで抜かれたのかわからない、手品のような手際だったが、ネットで調べたら「手品のように抜き取るから気をつけても無駄、財布は出すな」と書かれていた。まったく、情けない話だ。