京都府などが公表したリニア中央新幹線のルート案と試算の比較。京都は京都駅を通る北ルートが最適と主張。折衷案として京都府南部を通る直線ルートも示した。国が定めた整備計画に基づくのは、奈良駅付近を通る南ルート【拡大】
強気の京都の根拠は
京都の強気のよりどころは、東海道新幹線で「ひかり停車」を勝ち取った成功体験にあるとみる向きもある。
同新幹線が開通する前の昭和39年、「『ひかり』は京都に止めない」とされていたが、地元の財界人らが「京都に停車しても東京-大阪間の3時間を維持できる」と計算し、旧国鉄に掛け合って停車を実現させた。
ただ京都駅に中間駅を設置すると、建設費は、奈良市付近ルートより2800億円余計にかかるという。4年程度でペイする計算だが、奈良を通る方が負担が少なく、経済効果も「さほど変わらない」と考えるのが妥当だろう。