「AV鑑賞部屋」もあった?! 無法地帯のごみ処理場…職員たちのあきれた実態 (6/6ページ)

  • プレハブ小屋には私服も多数置かれており、職員が公共施設を“私物化”していたことがわかる
  • トレーニングルーム内には器具のほか、マットや大きな鏡も設置され、充実した設備となっていた(奈良市提供)
  • トレーニングルームが設置されていた4階から階下にわたされた電線。こうして電気を確保していたようだ
  • トレーニングルームはブレーカーも
  • 奈良市の環境清美センターの駐車場棟は鉄筋5階建て。柱の隙間から、車ではないものが置かれている様子も見て取れる
  • 問題が発覚した日はカギを管理する職員が拒否したため中には入れなかったが、エアコンの室外機が並ぶ様子は確認さきた=奈良市の環境清美センター
  • 放置車両の後ろにはバーベキューのコンロやタイヤ、車の整備工具などが置かれていた
  • プレハブ小屋内は冷蔵庫にクーラー、ソファ、テレビ、空気清浄機も完備され、アダルトビデオのテープがぎっしり並んでいた
  • 洗車用の脚立やゴム手袋、タオルなどが置かれた“洗車スペース”?も
  • ゴミがあふれかえった状態となっている業務用トラックの駐車場周辺
  • 奈良市環境清美センターの駐車場棟4階に設置されていたトレーニングルーム(奈良市提供)


 未出勤でも満額給与、「中抜け」も

 あきれるばかりの実態だが、ごみ処理業務を担当する同市環境部では過去にもさまざまな不祥事が発覚、問題の根深さが指摘されてきた。

 18年には、約5年9カ月で8日間しか出勤していないのに、給与が満額支払われていた職員がいることが発覚。翌19年10月には、勤務中に職場を無断で離れる「中抜け」問題が表面化し、仲川市長は職員の通勤車両を登録制にしたり、監視カメラを高精度化するなどの対策を講じた。

 さらに今回の職員4人の逮捕と、それに伴い発覚した職場の私物化の実態。仲川市長は「環境部は人事管理、服務規律のレベルで組織として統治できていない。今回を“現業問題”の転換点にしなければいけない」と強調する。

 だが、ある職員は「今回逮捕された職員には管理職を含め、誰もものをいえない状態だった」と明かし、「そんな状態を作ってしまったのは、歴代の管理職と組合。長年にわたって蓄積された膿(うみ)を、この機会に出し切る必要がある」と話した。

 この言葉通りなら、特定の部署や職員が“聖域化”され、市が手をつけられない、または見て見ぬふりをするという状況が続いていたことになる。なれ合いをなくし、組織を正常化できるか、市の“本気度”が試されている。

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