安倍晋三首相が17日打ち出した成長戦略の第2弾は、農業所得倍増などの農業改革と設備投資の拡大など産業政策を柱に据えた。金融緩和、財政出動に続く、アベノミクスの「第3の矢」である成長戦略は、日本経済の浮沈のカギを握る。実現に向けた道筋が問われる。
産業強化策 技術革新後押し
安倍晋三首相が民間投資の喚起を柱とする産業強化策を打ち出したのは、投資の長期低迷が日本経済の停滞を招いているとの強い危機感があるためだ。企業が新技術の開発や生産設備の拡充に積極的に投資できる環境を整備することで、企業の国際競争力を取り戻し、国内雇用や賃金を上向かせて消費を押し上げる好循環の実現を目指す。
「国内投資を阻害する要因は何であろうが一掃する」。安倍首相は国内投資の大胆な喚起にこう意欲をみせた。
今年1~3月期の実質国内総生産(GDP)は2四半期連続のプラス成長を達成したが、設備投資は0.7%減となお水面下に沈んだままだ。日本企業は200兆円を超える余剰資金を抱えるとされるが、将来の展望を描けず、投資に踏み切れない状況が続いている。