安倍晋三首相は19日、東京電力福島第1原発を視察し、事故後に廃炉が決まった1~4号機と同じ敷地内にある5、6号機を廃炉とするよう東電に指示した。東電の広瀬直己社長は「5、6号機の取り扱いの判断は年内にする」と回答した。視察後に首相が記者団に語った。
首相は「しっかりと国が前面に出て、私が責任者として対応していきたい」と表明。東電に(1)廃炉に向けて現場の裁量で使える予算の確保(2)貯水タンクの汚染水を浄化する期限の設定(3)事故対処に集中するため5、6号機の廃炉の決定-を指示したと明らかにした。広瀬社長は、予算に関し「すでに引き当てている1兆円にプラスして1兆円を確保していく」と応じた。
現時点で5、6号機の廃炉を決めた場合、東電は引当金積み立て不足などの処理を迫られ、経営再建の足かせとなる。政府は不足分を運転終了後も分割処理できるよう会計制度の見直しを進めており、新制度が5、6号機の廃炉に適用されると東電には急激な財務負担が生じない半面、費用は電気料金に転嫁され消費者の負担になる。