首都圏の羽田、成田両空港で見込まれる航空需要が、早ければ2022年度には現在計画中の年間発着枠の上限を超える見通しだ。アジアなど海外の高い経済成長を背景に、主に国際線の需要が大幅に増えると見込まれるため。26日開かれた交通政策審議会航空分科会の部会で、国土交通省航空局が予測を示した。
両空港の年間発着枠は現在68万回。14年度中に約75万回まで増やすことが決まっている。
今回の予測結果は、32年度までの日本の実質GDP成長率を3パターンに分け、過去の航空需要の変動や人口変化などをもとにまとめた。それによると、羽田、成田両空港の航空需要は増加傾向をたどり、特に国際線の旅客数は12~22年度の10年間で約6~8割増える見込み。
このため、早ければ22年度には、両空港の国内線と国際線を合わせた発着回数は最大約76万回と、現在計画中の年間発着枠である約75万回から貨物便の枠(約4万回)を除いた71万回を超えるとの見通しを示した。
国交省は羽田、成田両空港で今後容量不足が見込まれることや、20年の夏季五輪東京開催などを踏まえ、10月から両空港の発着枠を拡大する方向で具体的な検討を始める方針。