羽田空港の国際線発着枠は、焦点だった日本航空と全日本空輸の配分枠数で、全日空に優先配分することで決着した。国土交通省は、日航が公的支援を受けて再生したことで不利な状況になったとする全日空の主張を受け入れた格好だ。ただ識者からは、行政の過度の関与を懸念する声も出ている。
「発着枠を有効活用し、利便性の向上や訪日需要の創出に取り組んでいく」
全日空の親会社であるANAホールディングス(HD)の伊東信一郎社長は2日、こうコメントし、全日空への発着枠の優先配分を歓迎した。同社は、日航は公的支援で再生し、全日空との競争環境をゆがめているとして、格差是正のために羽田の国際線発着枠を多く配分するよう求めてきた。
羽田の昼間時間帯の国際線発着枠は、1便につき年間で売上高が100億円程度、営業利益が十数億円のプラスが見込める「ドル箱路線」。今回、日航よりも発着枠を6便多く得たことで、単純計算で年間600億円規模の売上高の差を日航につける要因となる。