フィリピン半導体・電子工業会(SEIPI)は、今年の電子産業の輸出額を前年比5%増とする目標の達成が困難になったとの見通しを示した。世界経済の低迷が足を引っ張り、今年の輸出額は目標を大きく下回る10~12%減と予測するが、来年は回復を見込む。現地紙ビジネス・ワールドなどが報じた。
フィリピン国家統計局によると、今年1~8月の電子産業の輸出額は前年同期比13%減の136億6000万ドル(約1兆3435億円)だった。このうち76%を占める半導体の輸出額は11%減の104億4000万ドルにとどまった。
一方、SEIPIのダン・ラチカ代表は、今年の電子産業の輸出額は減少するが、来年には持ち直すと予測する。
今年1~8月の自動車電子部品の輸出額は前年同期比324%増の3億6270万ドル、家庭用電化製品は19%増の1億9840万ドル。同代表は、半導体の価格下落が継続するものの、自動車電子部品や家庭用電化製品の伸びがさらに拡大するとの見方を示し、来年は5%の成長目標も達成できると強気の姿勢だ。