マレーシアで給油所ビジネスの競争が激化しそうだ。フィリピン最大の複合企業サンミゲルが子会社を通じ、マレーシアの給油所事業拡大に今後10年で20億ドル(約2046億円)を投じる方針を明らかにした。現地英字紙スターなどが報じた。
サンミゲルの子会社ペトロンは、2011年に米石油大手エクソンモービルからマレーシア国内のガソリン小売り事業を6億1000万ドルで買収。西部ポート・ディクソンの石油精製所の改修工事にも7億~10億ドルを投じて精製能力を引き上げた。昨年からはマレーシア国内に560店あるエクソンの「エッソ」ブランドの給油所を順次「ペトロン」に変更している。
サンミゲルのラモン・アング会長は「フィリピンとは異なり自動車の普及率が高いため、投資に対して安定した見返りが期待できる」と述べ、今後もマレーシアでの事業拡大に積極的に取り組む姿勢を示した。
同会長によると、ペトロンは今後、1億ドルをポート・ディクソンにある精製所の精製能力向上に投じるほか、さらに1億ドルをかけて現在200店まで進んだブランド名の変更作業を加速させる。これらを含めて23年までに20億ドルを投じて給油所新設など事業拡大を図る。