甘利明・環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)担当相は5日夜、内閣府で記者会見し、検査の結果、早期の舌がんと判明したと明らかにした。治療のため7日からシンガポールで開くTPP閣僚会合には欠席し、西村康稔内閣府副大臣が代理で出席すると説明した。
甘利氏の欠席が決まったことで、日本の国益をかけた交渉への影響は必至。関税など難航分野の政治判断が先延ばしされる可能性もあり、12カ国が目指す「実質合意」の行方にも影響を与える恐れがある。
甘利氏は5日の会見で、代理出席する西村内閣府副大臣について、「同等の情報を共有している。遜色なく、しっかり交渉してほしい」と強調した。
だが、ある経済官庁幹部は甘利氏欠席で、「関税協議で、農産品の重要5分野の扱いなどぎりぎりの判断を下すのは難しくなる」と指摘する。