財務省が27日発表した平成25年(1~12月)の貿易統計(速報、通関ベース)は、輸出から輸入を差し引いた貿易収支が11兆4745億円の赤字となった。3年連続の赤字で、赤字額は比較可能な昭和54年以降、過去最大。初めて10兆円を超えた。
輸出は前年比9.5%増の69兆7877億円で、3年ぶりに増加した。自動車や化学製品などが好調だった。
しかし、輸入が15.0%増の81兆2622億円と過去最大に膨らみ、輸出の伸びが追いつかなかった。原発稼働停止による電力不足をまかなうための、火力発電用燃料である液化天然ガス(LNG)や原油などのエネルギー関連輸入額が一段と増えており、赤字が拡大した。このほか半導体などの電子部品も輸入が増えている。
為替レートが24年の1ドル=79円55銭から96円91銭へと21.8%も円安ドル高になったことも、貿易赤字拡大に拍車をかけた。
同時に発表された12月単月の貿易収支は1兆3021億円の赤字。これで貿易赤字は24年7月から18カ月連続となり、これまでの最長を更新した。月間の赤字額1兆円超えも3カ月連続となった。