全国規模で電力需給を調整する広域系統運用機関の設立に向け、民間電力会社などで構成する準備組合が30日発足した。政府が進める電力システム改革の一環で、今後、定款や運用ルールの策定など準備作業を進め、平成27年4月の業務開始を目指す。新機関の設立により、電力改革を進める上で欠かせない電力の安定供給に万全を期す。
準備組合には、電力大手や新電力など48社が参加した。同日開いた設立総会で、新機関の名称を「電力広域的運営推進機関(通称・広域機関)」とし、東京・豊洲の東京電力が所有するビル内に事務所を置くことを決めた。今年7月以降に経済産業相に対して設立認可を申請する。
広域機関は、全国各地の需給計画や供給網の整備計画を取りまとめ、送電網の増強などを進める。震災など緊急事態発生時には、他の地域の電力会社に電力融通などを命令できる強い権限を持たせる。運営は民間が主導して行うが、設立に大臣の認可が必要な認可法人として国が監督する。
昨秋の臨時国会で成立した改正電気事業法で、電力改革の第1弾として同機関を27年をめどに設立することが定められている。