静岡県の川勝平太知事が、韓国の朴槿恵大統領と6月に静岡市内で会談するため招待状を送付したことが21日、同県関係者への取材でわかった。川勝知事は取材に対し「平和な関係を作るのに一人の国民としてできることをするということ」と話している。
慶長12(1607)年に朝鮮通信使が来日して、現在の静岡市で徳川家康から歓待を受けた6月19、20日を朝鮮通信使を顕彰する記念日にしたい考えで、その目玉として、記念式典に朴大統領の出席を要請したとみられる。現時点で返事は届いていないという。
ただ、日韓関係をめぐっては、米国の仲介でようやくオランダ・ハーグで24日から開かれる核安全保障サミットに合わせ、日米韓首脳会談を開催することが決まったばかり。県地域外交局の関係者からも「6月では日韓関係の改善は進んでおらず、時期尚早では」との声が出ている。
朝鮮半島政治が専門の小此木政夫・九州大特任教授は「良好でない日韓関係が、地方と国の文化交流にまで影響を及ぼすのは良くない」としながらも、「実際に朴大統領が来るとは思えない」と話している。