1990年代の改革開放以来、世界での影響力を強め、今世紀に入って中国はさらにその存在感を大きくしてきた。その前提には世界の工場としての地位とその経済力があったわけだ。しかし、中国の発展も大きな陰りが見えてきた。そして、チャイナバブル崩壊の兆候も出ている。
現在、中国の社会環境は一変した。79年から始まった一人っ子政策により低賃金若年層労働者の多い人口ボーナスといわれる状態から、高賃金層の多い“人口オーナス”に変貌しようとしており、賃金上昇で国際競争力が低下する「中進国のわな」に陥っている。すでに軽工業を中心にベトナムやミャンマーなど、より賃金の安い地域に工場移転が始まっている。
このように激変する社会環境の中で、中国の内需を支えてきたバブルにも大きな陰りが見えてきた。その最大の問題が「理財商品」などのシャドーバンキング(影の銀行)。シャドーバンキングとは銀行以外の金融機関などによる融資のことであり、中国ではこの部分が増大し、その額は500兆円とも600兆円ともいわれている。そして、その実態は中国の金融当局ですら把握しきれていないとされる。
中国は年金など社会保障が脆弱(ぜいじゃく)であり、国民は老後資金を自ら用意しなくてはならない。そして、預貯金は管理制度のもとで低い金利(今年に入り一部自由化)に抑えられているが、インフレ率は高く、銀行に預金しているとマイナス金利(実質目減り)になってしまう。そこで生まれたのが「理財商品」を中心とした一種の私募債だった。