理財商品は顧客に対して高い金利(8%以上)を保証していた。通常、このような高金利商品は高いリスクを伴うが、これを中国の銀行が「政府による暗黙の保証がついている」安全な商品として販売してきたわけだ。理財商品の発行体のほとんどが政府や地方政府が関与する企業であり、最終的に政府が保証するだろうという楽観的な予測があった。
そして、理財商品で集めた資金が、地方政府が作った企業体などを通じて、不動産開発や資源開発などに使われてきた。しかし、この多くがバブル特有の乱脈経営を行っており、今年に入り破綻に直面する企業も出始めた。
今年1月末、山西省の出資する石炭会社が経営危機に直面し、同社が発行する理財商品がデフォルトを起こしそうになった。結果的に当局の関与で「謎の投資家」が救済し、デフォルトは回避されたが、同様の状況に陥っている企業は多く、いつ次のデフォルト危機がおきても不思議ではない。
社債市場にも大きな異変が起きている。3月7日に中国本土で初の社債のデフォルトが発生。言い換えれば中国の金融当局が破綻を容認したともいえるわけだ。これでシャドーバンキングに対する政府の「暗黙の保証」は崩壊し、現在、企業などの資金調達が困難になりつつある。これはチャイナバブル崩壊の予兆なのかもしれない。(経済評論家 渡辺哲也)