【ワシントン=小雲規生】米通商代表部(USTR)のフロマン代表は1日、上院財政委員会での公聴会で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の日米協議について「2国間の市場開放で重要な進展があった」と証言した。
フロマン氏は先月下旬のオバマ大統領訪日に合わせて行われた協議で「農産品と自動車で前進する道筋を特定した」と述べた。TPP交渉全体についても、今回の日米協議の成果で推進力が得られるとし、「2014年中に結論を得る努力をする」と表明した。
議員からは日本と豪州が経済連携協定(EPA)で合意するなど、米国抜きでの貿易協定の動きが進んでいることへの懸念も示された。これに対してフロマン氏は日豪EPAなどと米国が進めるTPPは「相いれないものではない」と強調。一方で「他の国は米国を待ってはくれない」とも話し、米国がTPPを成功させることの重要性も訴えた。
またフロマン氏は、議会がオバマ政権に通商交渉を一任する「貿易促進権限(TPA)」法を成立させることの必要性に触れ、議会に協力を求めた。議員からは交渉の内容が明らかにされていないことへの不満も出たが、フロマン氏は交渉国間で合意に至れば「できるだけ早く内容を公表する」と述べるにとどめた。