■【日曜経済講座】上海支局長・河崎真澄
昨年6月24日、中国で上海株式市場全体の動きを示す上海総合株価指数が前日終値比で5%以上も急落し、心理的な節目の2000を約7カ月ぶりに割り込み、「中国バブル崩壊説」が現実味を帯びてから1年。株価急落を引き起こした銀行間市場の資金ショートに中国人民銀行(中央銀行)が資金を供給したことで当面、危機は回避された。
しかし、そもそも資金ショート懸念の震源地で、金融監督当局も実態把握が難しい銀行の簿外融資や財テク商品などグレーな「影の銀行(シャドーバンキング)」は、抜本的な解決策も見いだされないまま“放置”されている。
中国の金融機関は従来、金利の低い銀行間市場で資金調達し、これをシャドーバンキングの年利10~30%もの高利回りの「理財商品」に投資したり、あるいは理財商品を個人投資家に販売することで償還資金を得たりする「安易で安直な財テク行為」(市場関係者)を繰り返してきた。