平成26年度の国内景気の見通しについては「改善する」と「やや改善」の回答が合計で7割超を占め、企業が景気の先行きに対する自信を深めている実情が明らかになった。約3カ月前のアンケートでは同様の回答は6割だったが、大きく改善した。一方、景気の懸念材料については「原油、原材料価格の上昇」が最も多かった。
景気の先行きについての見方が大きく改善した背景には、消費税増税による業績への懸念が後退したことが大きいとみられる。企業からは、「消費税増税が景気に与えた影響が想定より小さい」(繊維製品)、「増税を経ても消費動向は大きく後退していない」(食品)などの声が上がった。
ただ、「消費に前年ほどの勢いが見られない」(化学)と指摘する声も少なくない。具体的な懸念材料を2つまでの複数回答で聞いたところ「原油、原材料価格の上昇」が53社と最多だった。「原油価格高騰は国内需要の下振れを招く恐れがある」(銀行)、「日本の経済成長を失速させる可能性がある」(電気・ガス)など、幅広い業種が懸念を示した。
4月に行った調査では、「消費税増税による消費の落ち込み」を懸念する企業が67社と最多だったが、今回は46社に後退した。
このほか、懸念材料に「その他」を選んだ企業からは、「建設費高騰、人手不足などによる設備投資への影響」(小売)、「海外需要の減少や、円高への反転による輸出競争力減退」(電機)などの意見もあがった。