CLTは、板の繊維方向が直角になるように交互に張り合わせている(林野庁提供)【拡大】
政府は、木材を利用した新たな建築材「クロス・ラミネーティド・ティンバー」(CLT)の量産に乗り出す企業を2015年度から補助金で支援する方針を固めた。CLTの量産設備について投資額の半分近くを補助する。政府が成長戦略に位置づける国内林業の発展に向け、国産木材の需要拡大につなげるのが狙い。2020年東京五輪の主要施設でもCLTの採用を促し、国産木材の品質の高さを世界にアピールしたい考えだ。
年間約4万立方メートル以上のCLTを生産できる設備を導入する製材業者などを対象とする。林野庁は、1件当たりの投資額は30億~40億円とみており、このうち半分から3分の1を補助する方針。予算規模は今後詰める。
CLTは木材の繊維方向が交互に直角になるように張り合わせた大判パネル。大規模商業施設や集合住宅にも使用できる丈夫さを持つものの、建築基準法では建築資材として認められていないため、使用する場合には国土交通相の特別認可が必要となる。このため、CLTを大量生産できる国内企業がほとんどないのが実情だ。