インドネシアで2003年に制定された地熱法の改正案が国会で可決された。同国の地熱資源量は発電能力換算で2862万キロワットともされるが、現在までに電源として活用されているのは約5%に相当する132万キロワットにとどまる。足かせとなっていた「法の壁」が取り除かれることで、開発が加速するとの期待が高まっている。現地紙ジャカルタ・ポストなどが報じた。
従来の地熱法では鉱山開発と地熱資源開発の区別がなく、森林法で定める自然保護区内での開発が禁じられていた。改正後の新地熱法では、地熱資源開発と鉱山開発の区別を明記し、全体の4割が眠るとされる保護区内での地熱資源開発を可能とする。現在までに政府が設定した地熱発電の開発区は58カ所だが、開発に着手できたのは9カ所のみとなっており、開発が遅れていた。
また、これまでは中央政府が開発の区分けのみを行い、認可や事業入札の権限は各地方政府に委ねられていた。新地熱法では、こうした権限を中央政府に移す。これにより、手続きの簡素化や明瞭化が進むと期待されている。