経済産業省は9日、東京証券取引所などの上場企業を対象に、従業員の健康増進への取り組みから優良企業を選ぶ「健康経営銘柄」を東証と連携して今年度中に導入すると発表した。企業による積極的な従業員の健康管理を促し、制度の浸透を通じて国民医療費の削減にもつなげる狙いだ。
東証のほか各地の証券取引所の上場企業に、健康づくりに関連した約100項目の質問票を送付。外部の専門家を交えた検討を通じ、優良企業の選定を年度内に実施する考えだ。
質問項目は今月中に公表する。選定基準は、健康づくりに向けた社内の態勢整備や、職場環境の改善、施策効果の検証態勢など。
経産省は「人的資本への投資は組織の生産性向上につながる」(ヘルスケア産業課)としている。厚生労働省による組合加入者の疾病予防などの取り組みとも連携し、企業による健康管理への投資を後押しする。
特定のテーマに沿った株式銘柄の選定制度は平成24年度に女性の人材活用を基準に選ぶ「なでしこ銘柄」がスタート。企業評価の“ものさし”が多様化している。