株式相場と実体経済の乖離(かいり)が鮮明になってきた。週明け8日の東京株式市場では、米国経済の回復期待から、日経平均株価が一時、約7年4カ月ぶりとなる1万8000円台を回復。一方、同日発表の7~9月の国内総生産(GDP)改定値は速報値から下方修正され、消費税率引き上げ後の景気回復の足取りの弱さを映し出した。
日経平均は取引開始直後に1万8000円台をつけ、6営業日連続で年初来高値を更新した。前週末発表の米雇用統計が改善したことで、円を売ってドルを買う動きが加速。輸出企業の構成比率が高い日経平均は押し上げられた。ただ、当面の利益を確定する売り注文も多く、終値は前週末比15円19銭高の1万7935円64銭だった。
株式市場の活況とは対照的に、7~9月の実質GDP改定値はさえなかった。企業の設備投資が弱く、2期連続のマイナス成長となったためだ。また、急速な円安は内需型企業には打撃となる。東京商工リサーチによると、円安に起因する倒産は今年1~11月に累計259件と、前年同期の2倍に上る。
最近の株式相場を下支えしているのが、官製マネーの存在だ。日銀は10月末の「追加緩和」で、上場投資信託(ETF)の年間購入額を3倍の3兆円にすることを決定。11月の購入総額は2280億円と、10月の1・7倍に伸びた。12月も5日までに2回、374億円ずつ買い入れている。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が日本株の運用比率を高めたことも援護射撃となっている。
農林中金総合研究所の南武志主席研究員は「金融緩和による金余りから、当面は株高となり、期待先行の株式相場に実体経済が追いつかない状況が続きそうだ」と分析している。