15日の東京株式市場で日経平均株価は1カ月ぶりの安値をつけた。衆院選で与党が圧勝したが、「市場は織り込み済み。内閣改造もなく、新味に薄れた」(大手証券)ことで、株価には直接影響せず、原油下落をきっかけとした世界的な株安の流れを受けた格好だ。
同日の東京外国為替市場は、株価下落で安全資産とされる円買いが進み、一時、前日比で1円近い円高となる1ドル=117円78銭をつけた。だがその後は円売りが強まり、午後5時時点では、前週末比54銭円高ドル安の1ドル=118円22~24銭だった。第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「アベノミクスが継続されれば、円高は好まれない」と指摘。与党圧勝で、今後も急速な円高方向への反転はない見通しを示した。
今後の株価動向は、原油安が落ち着くまでは1万6000円台まで落ち込む場面も予想される。ただ、法人税減税や来年度予算に盛り込まれる成長戦略、企業業績の改善などを材料に、「株価は、来年6月までに高値で2万1000円」(みずほ証券の倉持靖彦投資情報部長)と強気の予想も出ている。
為替については、円安傾向が続き、再び1ドル=120円台を突破するとの見方が多い。ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミストは、「米国で利上げが前倒しされ、日米の金利差が意識される」と分析する。