海洋中の水温や塩分を測定する水中グライダー(水産総合研究センター提供)【拡大】
2013年の漁業就業者数は約18万人と過去最低を更新した。海中を泳ぐ魚の居場所などの把握が漁獲量を左右するだけに、漁業の現場はITとロボット技術のサポートなしでは、もはや成立しない。巻き網船の無人化や次世代型の魚群探知機の開発など幅広い研究開発が進められており、将来的には自動で魚を釣り上げるような技術も生まれるかもしれない。
水産庁は、イルカの持つ優れた超音波探知(ソナー)能力を活用した新たな魚群探知機の開発を急ぐ。この通称「すごい魚探」は魚群量だけではなく、魚種や魚体長まで把握できる次世代型の計量魚群探知機だ。水産庁海洋技術室は「多くの魚種を擁するアジア水域で魚種別の資源管理や、ソナー探査が困難な海底や河川などでの魚群探査も可能になる」と期待を寄せる。
漁業の現場では30年以上前からロボット技術が導入されている。「イカ釣りロボット」として知られる自動イカ釣機は大半のイカ釣り漁船に搭載され、海外15カ国にも輸出されている。