洪水のような製品輸出で「世界の工場」と呼ばれた中国の製造業が苦境にあえぎ始めた。製造業の好不況を示す購買担当者景況指数(PMI)が、英調査会社マークイットの21日の発表で8月は47.1と前月比0.7ポイント下がり、リーマン・ショックが深刻化した2009年3月以来、6年5カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。
幅広い業種の製造業が生産計画の引き下げや設備投資の延期に動いている。輸出低迷をカバーすると期待された新車販売など国内消費が、不動産市況の低迷や上海株の下落を受けて伸び悩んだことが背景にある。
輸出と消費、投資の悪循環が鮮明になり、政府にさらなる景気対策を求める声が市場で強まっている。
同指数が景気の拡大と縮小の分かれ目となる50を下回ったのは8月で6カ月連続。PMIは中国国家統計局も毎月1日に発表しているが、市場では英金融HSBCから調査を7月に引き継いだマークイットの数値に信頼が置かれている。