来月は、過労死等防止対策推進法に基づく過労死等防止啓発月間。厚生労働省は、全国29カ所でシンポジウムを開催するという。
7月24日に閣議決定された「過労死等の防止のための対策に関する大綱」では「過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会」をうたい、対策の基本的な考え方や当面の目標を定めている。例えば、2020年までに「週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下」とする、などである。
気になったのは「過労死等は、その発生要因等は明らかでない部分が少なくなく、第一に実態解明のための調査研究が早急に行われることが重要」としている点。調査研究は重要だが、「KAROSHI」という恥ずべき言葉を生んだわが国が、そんな悠長な姿勢でいいのだろうか。
先ごろ英医学誌『ランセット』電子版に載った論文によると、週の労働時間に応じて、脳卒中と心臓病になるリスクが確実に高まることが明らかになった。