日銀総裁「前向きの行動が収益を生み出す」　講演で企業に意識改革促す (1/2ページ)

　日銀の黒田東彦総裁は６日、東京都内で講演し、企業が積極的な投資や賃上げに踏み出すことが経済の活性化に必要との認識を示した。１０月３０日の金融政策決定会合で追加金融緩和を見送って以降、黒田総裁が講演するのは初めて。

　「生鮮食品とエネルギーを除く消費者物価は２４カ月連続でプラスを継続。デフレに陥ってから初めてのことだ」

　日銀は１０月３０日、平成２８年度の消費者物価（生鮮食品を除く）の見通しを大きく下方修正し、２％の達成時期を「２８年度後半ごろ」へ先送りした。黒田総裁は「食品や日用品など価格改定の動きには広がりと持続性がみられる」と強調した。

　「物価上昇に賃金が追いつかない事態が持続的に生じることはない」

　黒田総裁は、賃上げがなく、物価のみ上昇すれば消費は減少し、企業は値上げを維持できなくなると指摘した上で、「大規模金融緩和は、賃金の改善を伴う形で緩やかな物価上昇を実現しようとするもの」と説明した。

　「企業は高収益を『ウインドフォール　プロフィット（棚ぼた利益）』ととらえている」