「ミス・ワールド」カナダ代表が中国入国できず 人権問題批判の“標的”か

2015.11.12 11:14

「ミス・ワールド2015」カナダ代表、アナスタシア・リンさん=10日、カナダ・トロント(ロイター)

「ミス・ワールド2015」カナダ代表、アナスタシア・リンさん=10日、カナダ・トロント(ロイター)【拡大】

  • 「ミス・ワールド2015」のカナダ代表に選ばれたアナスタシア・リンさん=10日、カナダ・トロント(ロイター=共同)

 【ニューヨーク=黒沢潤】世界的なミスコンテスト「ミス・ワールド2015」のカナダ代表に選ばれた中国出身の女性が、中国南部海南省で来月中旬に開かれる世界大会への出場に必要な査証(ビザ)発給を拒まれていると窮状を訴えている。女性は中国の人権状況を厳しく批判してきた経緯があり、発給拒否は中国政府の“標的”になったためと主張している。

 ロイター通信によれば、この女性は中国系カナダ人女優のアナスタシア・リン(中国名・林耶凡)さん=(25)。中国・湖南省出身。13歳のころ、母親とともにカナダのトロントに移住し、今年5月、ミス・カナダに選ばれた。

 リンさんは、中国で非合法化されている気功集団「法輪功」を支持し、拷問されたメンバー役を演じたこともあるという。リンさんは7月、宗教への迫害に関する米議会の公聴会での証言で、「自らの信念ゆえに(中国当局から)殴打され、焼かれた人たちのために話す」などと述べ、中国政府を厳しく批判した。

 リンさんによれば、代表に選ばれた数日後、中国に住む父親が公安当局から嫌がらせを受けたという。中国外務省の洪磊報道官は「状況を把握していない」と述べている。

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