東日本大震災からの復旧・復興を担う司令塔として設置された復興庁が発足4年を迎えた。津波被災地での住宅、インフラの整備は当初の遅れが批判を招き、現在は加速しつつあるものの道半ばとなっている。産業、生活の再建も課題だ。一方、東京電力福島第1原発事故は長期化が必至。被災者支援につながる施策の実現に向け、復興庁がどう指導力を発揮するか真価が問われる。
目立つ着工遅れ
岩手、宮城、福島の3県ではプレハブの仮設住宅に約6万5000人(昨年11月時点)が暮らしており、5年弱で仮設住宅が解消した阪神大震災に比べ、遅れが目立っている。津波の悲劇を繰り返さないため住宅は高台移転を原則とし、予定地の所有者探しが難航、資材費や人件費も高騰し着工が遅れるケースが多発したことが背景にある。
復興庁は裁判所や司法書士と協力し、土地収用手続きを迅速化。省庁横断的な支援チームを自治体に派遣して工費を柔軟に見直すなどして、事業はようやく進みだし、昨年末時点で災害公営住宅は予定の48%、高台移転の宅地造成も30%が完成した段階だ。