政府は16日、地球温暖化対策のため中長期的に取り組む技術開発の方向性を定める「エネルギー・環境イノベーション戦略」の概要をまとめた。二酸化炭素(CO2)の排出量を大幅に削減でき、なおかつ日本が優位性を発揮できる次世代地熱発電や蓄電池など8分野に予算を重点配分する。企業活動の抑制ではなく技術力で抜本的な排出削減を実現し、温暖化対策と経済成長の両立を図る。
同戦略の策定は、安倍晋三首相が昨年パリで開かれた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で表明。2050年を見据えて産官学で集中すべき革新的技術の分野を特定し、研究開発を強化する。
再生可能エネルギーでは、主力の太陽光発電で新素材の開発などを進める。現在は大規模発電所(メガソーラー)で1キロワット時当たり約24円の発電コストを7円以下まで低減する。
火山国として世界有数の潜在資源を持つ地熱発電では、地下にある高温の岩石に地上から注水して蒸気を発生させるなど、次世代の発電システムを開発する。