地震で一部損壊した熊本県宇土市の市役所=16日【拡大】
被災地では建物の安全性を診断する専門家が不足しており、自宅が安全かどうかはすぐには分からない。「傾きなどで居心地が悪かったり、建物が揺れやすくなっていたりといった変調があれば、危険な可能性がある」。東京工業大の山田哲教授(建築構造)はそう指摘する。
広瀬氏も「一見して分からない弱い部分が生じている可能性がある。身の安全を守るために、なるべく自宅に戻らない方がいい」と強調する。
補強徹底されず
阪神大震災では、1981年以前の古い耐震基準で建てられた住宅に被害が集中。国は補助制度を作って耐震改修を促しているが、国土交通省によると、2013年時点で住宅全体の耐震化率は推計約82%にとどまる。
阪神大震災では、柱だけで支えるピロティ形式の1階部分がつぶれるケースが相次いだ。今回も1階部分が押しつぶされた建物が目立つ。