法政大の小黒一正教授【拡大】
政府が消費税増税を2年半延期する方針について、法政大の小黒一正教授は、税率を年1%ずつ引き上げる措置の検討も含め、財政再建の道筋をつける必要性を訴えた。主なやり取りは次の通り。
--消費税の再増税延期で、景気の下振れは防げるのか
「そもそも2014年に消費税率が5%から8%へ引き上げられた際の景気への影響は、3%の税率が導入された1989年より大きかったが、3%から5%に上がった97年より小さかった。足元の景気が力強さを欠くのは、人口減少などで潜在成長率が落ちているからだ」
--再増税延期で財政健全化への影響が懸念される
「政府は2020年度に財政の健全性を示す基礎的財政収支(PB)を黒字化する目標を掲げる。ただ内閣府の試算では、高成長が続いても20年度に6兆円超の赤字が残る見通しだ。試算は17年4月の再増税が前提で、再増税延期により20年度のPB黒字化のハードルは一層上昇する可能性がある」