8月頭とてつもなく景気のいい話が、中国のマスコミを賑わせた。中華圏のトップスター、林心如(ルビー・リン)と霍建華(ウォレス・フォ)の結婚である。
式が行われたのはバリ島ブルガリ・リゾート・バリだった。崖の上に建つ高級ホテルで、海外ウエディング先として中国富裕層に人気である。プール庭園からは、聳(そび)え立つ崖と眼下に広がる海の景色が見渡せ、海とつながるプールに浮く形で、透明の婚礼祭壇が設えられている。
新郎新婦は世界に名だたる高級デザイナーの特注品を身に着け、特に花嫁は、ブルガリ製のイヤリング115万元(約1740万円)、指には12.75カラット、推定87.6万元のレッドスピネル(尖晶石)が輝いていた。
豪華結婚式に参加したのは約100人。中華芸能界のスターたちで、彼らの飛行機代、3日間のホテル宿泊費はすべて新郎新婦が持った。費用は約171万元、つまり約2590万円だという。
ビッグカップルの挙式に、当然中国全土のメディアが取材に集結した。しかし徹底した取材統制が敷かれ(ネット民からは戦時中の情報局にたとえられている)、取材陣は、空港、ホテル前などに48時間眠らずに待機するはめになった。そんな彼ら一人一人にご祝儀が配られたが、中身は縁起のいい数字とされる660元、百元札は2人が出会った2005年に発行されたものだという。