フランス大統領選は、中道・右派候補にフィヨン元首相が決まり、極右政党「国民戦線」(FN)のマリーヌ・ルペン党首(48)の勢いを止められるか否かが最大の焦点となった。
「保守回帰」もろ刃の剣
フィヨン氏圧勝の要因は、FN台頭を意識して、大きく右寄りの政策を打ち出したこと。「公務員50万人削減」「消費増税」に加え、カトリック教徒にもアピールし、地方の保守層票を掘り起こした。
一方、「保守回帰」はもろ刃の剣だ。大統領選の決選投票で勝つには、左派からも支持獲得が必要。だが、左派系リベラシオン紙(電子版)は27日、フィヨン氏は「公約の一部放棄」をしなければ、左派への支持拡大は無理との論説を掲載した。
今のフランスは、フィヨン氏の中道・右派、FNが各3割程度の支持率で、どの党も過半数には達しない。オランド大統領の支持率は1桁台で、第1回投票での敗退が濃厚。この場合、左派票の行方が決選投票の勝負を決める。