
鹿島がダム工事に投入する自動ダンプカー。土砂を積むブルドーザーや振動ローラーも自動化した【拡大】
大手ゼネコンが建設現場の省力化を加速させている。鹿島は11日、大分市でのダム工事に日本で初めて自動ダンプカーを導入すると発表した。ブルドーザーや振動ローラーも自動化し、複数の重機を1人で操れるようにする。建設業に従事する技能労働者は、高齢化に伴う離職で8年後に約100万人減るとみられ、各社の憂慮は深い。国土交通省もIT化を促す施策を打ち出し、建設業界の生産性向上を後押しする。
1人で複数作業操作
「ロボットやAI(人工知能)などで効率化しなければ、建設業界はいずれ成り立たなくなる」
鹿島の押味至一社長は、「担い手不足」への懸念を強調する。若手や女性の入職者を増やす手立ての一方で、強い期待をかけるのが施工の自動化だ。
同社が大分川ダム(大分市)の建設現場に導入する自動の重機は計8台。ダンプで運んだ土砂を下ろしてブルドーザーでならし、振動ローラーで圧縮する-という一連の作業を、作業員1人がタブレット端末で行うことができる。建機大手のコマツと共同開発した。