8日のニューヨーク原油先物相場は一時、1バレル=50・05ドルと昨年12月中旬以来約3カ月ぶりの安値に急落し、節目の50ドル割れが目前となった。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国による協調減産が順守されていないのではないかとの疑念が広がる中で、米国の原油在庫が記録的な高水準となり、供給過剰感が強まって売りが加速した。
50ドル割れ目前になったのは指標の米国産標準油種(WTI)4月渡し。8日の終値は前日比2・86ドル安の1バレル=50・28ドルだった。
朝方発表の米週間石油統計で原油在庫が市場予想を大幅に上回って増加。データの閲覧が可能な1982年以降で最も多い水準になった。
8日の急落を受けて相場は47~48ドル程度まで下がるとの観測が出ている。ただ、価格が下がると採算悪化で米シェールオイルの採掘施設が稼働を止めるとの見方もあり「50ドルを挟んで一進一退となる」(米アナリスト)との予測も聞かれた。(共同)