東京証券取引所は9日、子会社で不適切な会計処理があった化学メーカーの日本カーバイド工業に対し、経緯や再発防止策を記載した改善報告書を24日までに提出するよう求めたと発表した。虚偽の決算を開示して上場規定に違反したための措置。
東証や日本カーバイドの発表によると、子会社のダイヤモンドエンジニアリング(富山県魚津市)で、利益を確保するため工事原価を他の工事に付け替えて費用を繰り延べしていた。2012年3月期から16年4~6月期までの決算で不正が認められた。
子会社の当時の社長が了解した上で不正会計が行われており、東証は「コンプライアンス(法令順守)意識の欠如があった」(上場部)と指摘している。