全日空、特別食の乗客にバナナ1本 英国人男性抗議でチキンソテー追加

全日空のボーイングB787-8(同社提供)
全日空のボーイングB787-8(同社提供)【拡大】

 【ロンドン=岡部伸】英夕刊紙イブニング・スタンダードは、4月20日羽田発シドニー行きの全日空機に搭乗したロンドン在住英国人男性(32)が機内食で麦を使わない食事である「グルテンフリー」を注文したところ、バナナ1本しか提供されなかったと報じた。

 同紙によると、この男性は小麦などに含まれるグルテンに異常反応を起こすセリアック病を患い、飛行機に搭乗する際は毎回「グルテンフリー」の機内食を注文。今回もリクエストしたところ、到着約2時間前に出された朝食で乗務員から「特別食」としてバナナが出され、卵、ソーセージ、マッシュルームなどの「イングリッシュブレックファースト」が供された他の客から失笑されたという。

 全日空広報室によると、同便は9時間のフライトで食事(夕食)と軽食(スナック)の2回のサービスを行っており、男性から事前に「グルテンフリー」の注文を受け、出発直後の食事(夕食)では特別食を提供。さらに男性の要請で通常食も提供し、男性は共に食べた。到着直前の軽食(スナック)で「グルテンフリー」としてバナナ1本を渡したところ、男性から「量が少ない」とのクレームがあり、特別に夕食のアントレ「チキンソテー」を追加で提供。他の客は「サンドイッチ」だけだったという。

 広報室では、バナナのみの「グルテンフリー」も含め量を増やすよう軽食内容を検討するとしている。