
前文部科学事務次官の前川喜平氏=25日午後、東京都千代田区(福島範和撮影)【拡大】
朝日新聞は30日付朝刊で、学校法人加計学園(岡山市)による国家戦略特区を活用した獣医学部新設計画について、文部科学省の前川喜平前事務次官が昨年9~10月、官邸で複数回面会した和泉洋人首相補佐官から「総理は自分の口から言えないから、私が代わりに言う」との趣旨の発言があり、手続きを早くしてほしいと求められた-と報じた。
前川氏は30日夕、報道内容を認めるコメントを報道陣に出した。
コメントは次の通り。
《昨年9月上旬、私は和泉洋人総理補佐官に呼ばれ、総理官邸の同補佐官執務室において、国家戦略特区における獣医学部設置の特例について、文部科学省の対応を早くしてほしいと求められました。その際、同補佐官から「総理は自分の口からは言えないから、私が代わりに言う」との趣旨の発言がありました。
これに対し私は、承った旨を伝えましたが、担当の専門教育課には面会の趣旨だけを伝え、松野博一文部科学大臣への報告は必要ないと判断し、行いませんでした。
その後、10月半ばにも和泉補佐官から呼ばれ、同補佐官執務室で面談しました。補佐官からは、国家戦略特区における獣医学部設置の特例に向けた状況について質問があり、私からは引き続き検討中である旨、答えました。以上のことは間違いのない事実です》