IT大手のインターネットイニシアティブ(IIJ)と静岡県などは19日、あらゆるものがネットワークにつながる「モノのインターネット(IoT)」の技術を活用して、水田の水位や水温を遠隔管理するシステムの実証実験を始めると発表した。見回り作業の負担を減らし、水の管理にかかるコストを半減することが目標だ。
静岡県磐田市と袋井市の農業法人と富山県滑川市の農業ベンチャー「笑農和」も参加し、静岡県で実験を展開する。
水田にセンサーを設置し、水位などのデータを一元管理。手元のスマートフォンやタブレット端末で状況を確認しながら、ネットワークにつないだ給水弁を遠隔操作し、水田に水を送る仕組み。実際に水田を見て回る手間を省ける。農林水産省の委託事業で、実証実験の期間は2020年3月末まで。農業法人など向けに量販する計画で、センサーなどは機能を限定して価格を抑え、導入しやすくする。将来は人の手を介さず、自動給水システムの構築を目指す。